It’s another cup of tea.

170615
Vieil ange by Odilon Redon.

たしかにわれわれは万事をわれわれ自身に比較し、われわれを万事に比較するようにできているから、幸不幸はわれわれが自分と比較する対象いかんによって定まるわけだ。だから孤独が一番危険なのだ。ぼくらの想像力は、自分を高めようとする本性に迫られ、また文学の空想的な映像に養われて、存在の一系列を作り上げ、われわれはその系列中の一番下ぐらいにいて、われわれ以外のものは全部われわれよりすばらしく見え、誰もわれわれよりは完全なのだというふうに考えがちだが、それもさもあるべきことと思う。ぼくたちはよくこう思う、ぼくらにはいろいろなものが欠けている。そうしてまさにぼくらに欠けているものは他人が持っているように見える。そればかりかぼくらは他人にぼくらの持っているものまで与えて、もう一つおまけに一種の理想的な気楽さまで与える。こうして幸福な人というものが完成するわけだが、実はそれはぼくら自身の創作なんだ。

『若きウェルテルの悩み』 ゲーテ

 

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