SAINT JAMES – CANCALE.

SAINT JAMES のマリンニット、CANCALE が今年も入荷しています。
フランスならではのクラシックアイテムとして、ファッション界では広く愛されている定番品です。Fuzz でも長年変わらずにおすすめしています。

 

Fuzz オフィシャルの商品説明文を再掲します。

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フランスにおいて、海の人間が冬に着るニットとして、非常にトラディショナルなアイテムとなります。古くから漁師が着ていましたし、フランス海軍のユニフォームとしても使われています。

油分を残したピュアウールが素材となっていますので、質感としてはふんわりではなく、どっしりです。ふかふかで暖めるというよりは、もっと実用的な機能を求めたワークウェアな性格が強いというのが本質でしょう。風から守る、飛沫から守る、という船上などで実用的な性能を求められているということです。

そういうものをファッションに取り入れる という、ある種の 『スタイルで着る』 というアイテムであると言えるでしょう。ファッション的な細かいバランスよりも、自分のスタイルで着るということが大切であり、またそれが格好いい!と思えるニットウェアなのだと思います。

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ここ数年来、毎年の入荷となっており、毎年変わらぬ売れ行きです。もちろん、ずごくたくさん買っていただいています、ということでもなく、毎年ぼちぼちです。

店頭において、なんとかのブランドのこのニットをというのでなく、何かいいニットありませんか?、というお客さまには、まずはこのニットをおすすめしています。
デザインとして奇抜でないので、まずは安心して着られる、しかし着てみると何か感じるものがあり、ただシンプルなネイビーのニットではないぞと、すぐに分かっていただけます。なかなか言葉で表現するのは難しいのですが、伝統的なアイテムに宿るニュアンスのようなものが自然と感じられるのです。そして、こればかりは、SAINT JAMES だからこそであり、フランスでずっとやってます、というこの説得力を必要とします。

 

ただの単色ネイビーのクルーネックニットをただ着るのは、ちょっと面白さに欠けますが、肩ボタンのマリンニットになると、たちまち大丈夫です。

ネックは狭めですが、リブのストレッチはしっかり利いているので、着てみると着苦しさは感じず、シャツを着ていてもボタンを付けた状態で問題なく着られます。
あえてボタンを一つ二つ外して、変化をつけるというのも常套手段なので、そこはお好みで。

ウールフラノのグレーのスラックスと、色落ちのしたデニムと、ルーズな軍パンと、なんやかんやでよくマッチして、存在感もしっかりあるという不思議なニットです。
ファッションブランドの手によるデザインもののニットとは別ベクトルの魅力となりますが、クラシックアイテムを当たり前のように着る格好よさは、時代に左右されず、ずっと変わらないと思います。

SAINT JAMES – CANCALE II
col : Navy
size : S / M
price : 21,800 (+tax)

 

Martin Faizey – M.F.SADDLERY.

Martin Faizey の定番ベルト、M.F.SADDLERY が入荷しました。
本当は夏に届く分が、ようやくの到着です。

 

Fuzz 公式説明文の再掲です。

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乗馬などの馬具全般に使われる頑丈なサドルレザーによるシンプルなベルトです。シンプルかつベーシックなアイテムとなりますが、イングリッシュ・レザークラフトのアイテムということが重要で、やはり薫りは漂います。しっかりした存在感がありますので、慣れてしまうと安心感となり、無いと心細いくらいになると思います。

使い始めはかなりの硬さを感じますが、使いこむうちに柔らかくなってきて、自分のものになっていきます。そうそう壊れることはありませんので、とりあえず1本、必要なら色違いで2本、持っておくとたいへん安心です。

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シーズン毎に年2回、同じように入荷していますが、すっかり定番として根付いています。
普段づかいのベルトでおすすめする一番手です。しっかり長く使えますので、シンプルなレザーベルトをお探しの際は是非。

 

Martin Faizey – M. F. SADDLERY
col : Black / Dk.Brown / Tan
size : 30 / 32 / 34 / 36
price : 11,000 (+tax)

 

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週末まで数日間、暖かい日が続きましたが、どうやらそれも終わり、秋の終わりがやってきそうな気配です。
晩秋というのは、なんとも味わい深い季節でございまして、木々の紅葉など愛でつつ、上着の着丈なども長くなり、また食欲なども増してきます。そうしますと途端に冬が来て、鍋料理など愛でつつ、今度は上着が膨れてきて、厳しい冬を越すためにも、余計に食欲が増します。上着が膨れれば、多少身体に余分な肉がつきましても、たいした問題にもなりませんから、安心して糖分を摂取できるというものです。

いよいよ秋が終わりに近づき、冬が来ますね、ということが言いたいだけでした。なんでも、ラニーニャ現象が見られているから今年の冬は寒さが厳しい可能性が高い、ということらしいですね。確かに先日に見た天気予報では、今年の冬はPHデザインのダウンを2、3着は用意した方が安心でしょうと、気象予報士が言っていたような気がします。

何年か前に関東の平野部でもどっさりと雪が降ったことがありましたが、あんなふうになるのでしょうか。まあこんな状況では、なるべく空気が湿った方がいいわけですから、雪は降った方がいいのかもしれません。人々が外に出られなくもなりますから。
10年以上前、雪が降った記憶は無かったですが、すごく寒い冬がありました。その冬、巷では Moncler が大流行していたことを覚えています。何年前かは忘れましたが、あの Moncler の冬が一番きつかったと、僕の記憶には刻まれています。
そしてその後、Moncler は本格的なラグジュアリーブランドの方向へ強く舵を取り、ポスト・モンクレーの座をめぐって、仁義無きダウン戦争が始まりました。激戦の挙句に天下を取ったのはカナダグースでしたが、水沢ダウンというジャパニーズダウンが登場し、また新たな闘いの火蓋が、、、などということは、歴史の教科書を読めば誰でも知っていることでしょう。

以上、ムダ話でした。

 

bleu de chauffe – ZEPPO.

フランスのバッグブランド、bleu de chauffe のレザーバッグが入荷しました。

今回は最も bleu de chauffe らしい雰囲気のモデルをセレクトしてみました。現状いろいろなモデルがありますが、ブランドのスタート当初からこういったクラシックな雰囲気のレザーバッグが一貫してラインナップされていて、いわゆるメインプロダクトと言えるモデルです。ゆえに、ブランドの本質的な魅力を感じていただけると思います。

 

ヨーロッパのクラシックな薫りが充溢するどっしりした中型のレザーバッグです。ビジネスバッグをベースにしていて、そのままビジネスにも使えると思いますが、必ずしも硬い雰囲気ではなく、適度な曲線を加えてフランスらしいエレガントさをたたえます。

先日のコートでも言っていますが、クラシックなアイテムというのは芯が強く、懐が深いと、故に意外とどう使っても様になるという性質があります。ガチッとしてビシッとキメなくては、と構えることなく、実は鷹揚な心づもりで手にしていただきたいアイテムです。

 

鏡越しの写真で恐縮ですが、サイズ感の参考になりそうかなと思いました。大きさとしては中型で、一般的なブリーフケースの大きさか、それよりごくほんのわずか、小さいかもしれません。厚さがしっかりあるので、小さく感じることはないと思います。

 

どちらかというと、古いドクターバッグの雰囲気があると思いますが、いずれにしても、ヨーロッパでは昔からあるようなレザーバッグの雰囲気で、教えられた訳でもないのに歴史を感じてしまいます。

ただ、この bleu de chauffe は現行の元気のあるバッグブランドですから、古くからあるバッグをただ同じようにつくっているわけではありません。どちらかというと、しっかりファッション的なアプローチをするブランドであり、現代的なファッションに取り入れられることを念頭に置いています。
さらに、現代にしっかり使われるバッグとなると、機能性もおろそかできないため、細かなところの気配りもきちんとしていて、使い勝手がよく考えられているということも大きな特徴となっています。

 

ヨーロッパならではのクラシックの薫り、そしてレザークラフト感もあり、デザイン的なトレンド感もある。そして、実用性にも配慮があるという、非常にバランスの取れたいいブランドです。

 

レザーはベジタブルタンニングのグレインレザー。ハードユースに耐える厚い頑丈な革です。キメ細かいレザーはエレガントである反面、耐久性で劣りますので、このバッグはガシガシと長年使うという方向です。
このくらいのバッグになると、『重い』 という声が聞こえがちですが、それはそういうものと諦めなくてはいけません。元々こうであって、対してナイロンやポリエステルのバッグは、『重くない』 というのが最大の武器でなのであり、これについては、『これが普通だ』 と思い定めなくてはいけません。

 

フロントとバックに広いポケットがあり、本体が2室構造。フロントのフラップポケットの上にミニポケットもあり、仕切りがかなり充実しています。

 

背面ポケットにはトロリーバッグ(コロコロバッグ)に装着するためのトロリースリーブが備わります。ポケットの内部からファスナーを開けて、突き挿すという仕組みです。

1室にはアイコン的なディテールである、取り外し可能なミニポケット。

もう1室にはこれも着脱可能で、13インチノートパソコン用のフェルトのケースが備わります。

肩掛け用のがっちりした革のベルトが付属して、2WAYです。肩あてが付き、その裏がリサイクルウールのフェルト張りというのもクラシカルなディテール。

これだけの素材で、これだけのつくりとなりますので、それなりのプライスにはなってしまいますが、価格整合性もたいしたものです。地場フランス産のレザーに自社工場のフランス製、そこから日本に運ぶ手間もありますから、むしろたいしたものだと言えるでしょう。

ロマン溢れるクラシックなレザーバッグ。けれど単なる古典趣味ということでなく、今の感覚でクラシックテイストを楽しめて、使い勝手も好し。頑丈なので、長く使える。この手のバッグはデザイン的に飽きることがなく、また使い込んでいくことでさらに渋くなり、モノとしての格好よさは増していく、、、
どうでしょう、10年、20年と付き合ってみては!?

 

bleu de chauffe – ZEPPO
col : T.Moro / Black
price : 78,000 (+tax)

 

Justo Gimeno – Reversible Soutien Collar Coat.

Justo Gimeno のリバーシブル・ステンカラーコートをご紹介します。
今季の秘密兵器、スペインから来たヨーロピアンクラシックなコートです。

 

● Justo Gimeno
1907年創業のスペインの老舗ファクトリーによるオリジナルブランド。EU圏のブランドからの請負生産とスペイン国内向けの自社レーベルを両立し、縫製や仕立ての良さが広く知れ渡っています。
レインコートやハンティングウェアの生産からはじまり、現在ではクラシックなジャケットやコートを中心に手掛け、特にブリティッシュ・トラッドの製品を得意にしています。

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請負では、Drake’s のクロージングの縫製を手がけているとかで、イギリスブランドからの仕事が多いそうです。クラシック、トラッド界隈のアイテム、特にそういう経緯からブリティッシュ・トラッドが得意というファクトリーです。
自社のレーベルとしてはスペイン国内でけっこう有名らしく、元々はスペイン発祥のテバジャケットで有名になったブランドということです。

このファクトリーに、お付き合いしているインポーターさんがリバーシブルコートの作成を依頼したという次第です。

 

直球ど真ん中の雰囲気ながら、でもしかしリバーシブルという仕様でスペシャルなコートが完成したわけですが、何がスペシャルかと言えば簡単な話です、ウールとコットンの両面づかい、この生地、カラーをわたくしの方で指定することができたのでした。
つまり、他所で売っていない、という単純な意味でのスペシャルです。

 

ウール面は何種類もある中で、クラシックなグレーのヘリンボーンツイードを選びました。さほど厚ぼったくない、だいたい標準的なヘリンボーンツイードです。
ツイード生地はいろいろな色柄があったのですが、多くがしっかり肉厚で、コットン面の生地と合わせるとなるとかなりのボリュームになってしまい、ウエイトの観点でずいぶん絞られ、最終的にこの生地を選びました。ウールのコートはあまり厚地で重くなると、日本では着られる期間が減ってしまいます。このあたりはヨーロッパとの気候の違いに注意が必要です。

そしてこのツイード地ならば、コットン面はベージュやオリーブよりもネイビーが合うということで、このような組み合わせとなりました。
定番中の定番、この手のアイテムは奇をてらう必要は無く、素直な直球がいいです。

 

コットン面はギャバジンかと思ったのですが、ツイル地でした。やはり裏面で着ることを考えると、ギャバジンだと着用感が硬く、柔らかさが必要なのでしょう。
とは言え薄い裏地生地ではないため、ツイード面で着る時に、ちょうどいい腰ができるのがいい感じです。これは両面で着られるというメリットと同じくらいの意義を感じます。

 

昔ながらの素朴なシルエットで、裾の広がりは最低限です。部分的な絞り込みも無く、自然にまかせたゆったり感は、クラシックなブリティッシュ・トラッド然としていてある種の威厳があります。イタリア的スマート、フレンチ的エレガント、アメトラ的ファッショナブル、、いろいろなテイストがありますが、イギリス的ガツン、というような印象です。出所はスペインではありますが。

 

オールドファッション的なバランスなのかもしれませんが、かつてより自然に受け入れられ、これが格好いいと思うのは、時代のせいか、自分が年齢を重ねたせいか。
計算され尽くした現代ファッションの今のバランスとは違い、昔からずっとあるバランスの自然さというものを感じます。

 

男のロマンといったような要素がありつつも、我々現代人は冷静にそろばんをはじきます。
ある程度のステータスのあるブランドの、同じようなアイテムのプライスを見てため息をつくことがあると思いますが、同じ水準の仕立てで、と比べると、このコートが現実的なプライスであることが分かっていただけると思います。仕立てとファブリックの水準、ブリティッシュを縫っているヨーロッパの工場から来ている、と考えると、少なくともこれくらいはするはずだよな、というような想像はできてしまうと思います。アイテムとしてはロマンがありますが、プライスにロマン代が乗っていないということです。だいたいがロマン代がとんでもないわけですから。

 

『男たるもの、、』 という観点で、この手のコートを持っていたいという感覚もあるでしょうし、単純にデイリーで着る合わせやすいコートと見る感覚もあるでしょう。
いろいろ言いましたが、モノとしては、非常にシンプルで堅実、流行り廃りのない世界の魅力的なアイテムです。クラシックなアイテムなればこその芯の強さ、懐の深さがありますので、いろいろなシーンでしっかり使えることと思います。

 

Justo Gimeno – Reversible Soutien Collar Coat
col : Grey/Navy
size : 46 / 48 / 50
price : 88,000 (+tax)